AGAは20代でも発症する?知っておくべき原因と対策

AGA(男性型脱毛症)は、30代以降だけでなく20代でも発症するケースが増えています。
生え際の後退や抜け毛の増加など、気づかないうちに進行していることも少なくありません。
この記事では、20代でAGAを発症する原因や初期症状のサイン、そして今すぐできる対策方法をわかりやすく解説します。
20代に見られるAGAの初期症状のサイン
近年では20代といった比較的若い世代でAGAの症状が始まるケースも少なくありません。
もし、20代で以下のような変化に気づいたら、AGAの初期症状である可能性を考え、早めの対策を検討することをおすすめします。
生え際の後退、M字ハゲ
20代のAGAの初期症状として特に目立ちやすいのが、生え際の後退、M字ハゲです。
額の左右の生え際が徐々に後退し始め、中央部分だけが残ることで、アルファベットの「M」のような形に見えるようになります。
以前よりもおでこが広くなったと感じたり、前髪を下ろしたときに隙間が気になるようになったりしたら、AGAの可能性があります。
特に、シャンプー後や鏡を見たときに、生え際の形が変わってきていると感じる場合は注意が必要です。
頭頂部のボリュームダウン
頭のてっぺん部分の髪の毛が全体的に細くなり、ハリやコシが失われることで、以前のようなふんわりとしたボリュームが出にくくなります。
特に、髪をセットしようとしたときに、思い通りに立ち上がらない、地肌が透けて見えるようになったと感じる場合は、頭頂部の薄毛が進行しているサインかもしれません。
ご自身で気づきにくい場合もあるため、家族や友人に指摘されることで気づくケースもあります。
抜け毛の増加
AGAの初期段階では、抜け毛の量が目に見えて増えることがあります。
シャンプー中やブラッシングの際に抜ける髪の毛の数が明らかに多くなった、朝起きたときに枕元にたくさんの髪の毛が落ちている、排水溝に溜まる髪の毛の量が増えた、といった変化は重要なサインです。
特に、抜けた髪の毛の中に、短い毛や細く弱々しい毛が混じっている場合、健康な髪が育つ前に抜け落ちている可能性が高く、AGAの進行が考えられます。
抜け毛の量を意識的にチェックすることで、早期の変化に気づくことができるでしょう。
20代のAGA発症率は?
日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」によると、20代男性のAGA(男性型脱毛症)の発症率は約10〜20%とされています。
つまり、5人に1人程度が20代のうちに薄毛の兆候を感じ始めていることになります。
「まだ若いから大丈夫」と油断せず、早めに異変に気づいてケアを始めることが将来の髪を守る鍵になります。
20代でAGA治療をするメリット
ここからは、20代でAGA治療をするメリットについて解説します。
進行を早期に止められる可能性が高い
AGAは進行性の脱毛症で、時間が経つほど毛根のダメージは大きくなります。
20代のうちに治療を始めれば健康な毛根が多く残っている段階で対処できるため、薄毛の進行を効果的に食い止めることができます。
将来の髪の状態を守るためには、早期の治療開始がとても重要です。
髪の密度を維持しやすい
AGA治療を20代で始めるメリットの一つとして、髪の密度を維持しやすい点が挙げられます。
薄毛の進行が軽度なうちに治療を始めることで、残っている髪の毛が細くなったり抜け落ちたりするのを防ぎ、結果として頭髪全体のボリュームや密度を良好な状態で保ちやすくなるのです。
これは、治療によってヘアサイクルが正常化に近づき、健康な髪が育ちやすくなるためで、見た目の印象を左右する重要な要素となります。
費用・期間を抑えやすい
症状が軽いうちに治療を始めることで、比較的費用や治療期間を抑えやすいのもメリットです。
進行してからの高額な治療や長期的なケアを避けられる可能性が高まります。
結果として、身体的・金銭的な負担を軽減しながらAGA対策を進めることができます。
20代でAGA治療をするデメリット・副作用
ここからは20代でAGA治療をするデメリット・副作用を解説します。
継続的な費用がかかる
AGA治療は、基本的に継続して服薬・ケアすることで効果を維持する治療です。
そのため、毎月費用がかかります。
20代はまだ収入が安定しにくい時期でもあるため、長期的に無理なく支払えるかどうかを検討しておくことが大切です。
副作用が出る場合がある
AGA治療薬(特にフィナステリドやミノキシジル)には、副作用の可能性もあります。
例として、以下のような副作用が報告されています。
・肌荒れや頭皮のかゆみ
・性欲減退
・初期脱毛(治療開始初期に一時的に抜け毛が増える現象)
副作用が出るかどうかは個人差があるため、自己判断で使用せず、医師の指導のもとで治療を進めることが重要です。
効果の実感までに時間がかかる
AGA治療は、始めてすぐに髪が生えるというものではなく、効果を実感するまでに3〜6ヶ月、時には1年以上かかることもあります。
途中で「効いてないのでは?」と感じて治療をやめてしまうと、せっかくの効果が出る前に終わってしまうことに。
短期的な結果を期待するのではなく、長期的に取り組む気持ちが必要です。
治療をやめると元に戻る可能性がある
AGA治療薬は進行を止めるためのもので、完治を保証するものではありません。
治療を中断すると、再び薄毛が進行するケースもあります。
そのため、継続前提であることを理解した上で始める必要があります。
20代から始めるべきAGA対策
AGA治療はAGAの進行を抑制し、発毛を促す医療的なアプローチです。
症状の進行度や状態によって様々な治療法があります。
フィナステリド
フィナステリドは、AGA治療で多く使用されている内服薬のひとつです。
主に抜け毛の進行を抑える効果が期待でき、発毛よりも現状維持や予防に適しています。
この薬は、男性ホルモンの一種である「DHT(ジヒドロテストステロン)」の産生を抑えることで、脱毛の進行を食い止める効果が期待できます。
デュタステリド
デュタステリドは、フィナステリドと同様にDHTの生成を抑える内服薬ですが、より強力な効果が期待できるのが特徴です。
DHTを作る酵素には「1型」と「2型」がありますが、フィナステリドが2型のみを抑制するのに対し、デュタステリドは1型・2型の両方に作用します。
ミノキシジル
ミノキシジルは、発毛を促す効果がある治療薬で、外用薬(塗り薬)と内服薬の両方があります。
ミノキシジルの作用は頭皮の血流を促進して毛包に栄養を届けやすくし、新しい髪の成長環境を整える働きをします。
また、ミノキシジルは毛母細胞の活動を活発にし、髪の成長期を延長させます。
これにより、新しい毛が生えやすくなり、既存の毛も太く長く成長しやすくなるのです。
20代のAGA治療に関するQ&A
ここからは20代のAGA治療に関する質問にお答えします。
AGA治療の費用は保険適用される?
AGA治療は、基本的に保険適用外、自由診療となります。
これは、AGAが命に関わる病気ではなく、見た目の改善を目的とした治療とみなされるためです。
そのため、診察料や処方される内服薬、外用薬、その他の治療にかかる費用は全額自己負担となります。
AGA治療の効果はいつ頃から実感できる?
AGA治療の効果を実感できるまでの期間には個人差がありますが、一般的には治療開始から約3ヶ月〜6ヶ月程度で何らかの変化を感じ始める方が多いとされています。
初期には抜け毛の減少が見られ、その後、徐々に髪の毛が太く、しっかりとしてくるのを実感できるでしょう。
しかし、治療効果を最大限に引き出し、理想の状態に近づけるためには、半年から1年以上の継続的な治療が必要となることがほとんどです。
焦らず、医師の指示に従って根気強く治療を続けることが大切です。
放置するとAGAは進行する?
AGAは進行性の脱毛症のため、放置すると徐々に薄毛が進行します。
自然に治ることはほとんどなく、時間とともに抜け毛が増え、髪の毛が細くなる範囲が広がってしまう可能性があります。
そのため自己判断せずに、少しでも症状に気づいたら、できるだけ早く専門のクリニックを受診し、適切な診断と治療を開始することが重要です。
20代からのAGA対策で、進行を食い止めよう
AGAは30代以降の悩みと思われがちですが、実は20代から発症するケースも増えています。
生え際の後退や抜け毛などの初期症状に気づいたら、早めのケアが将来の髪を守るカギになります。
早期治療なら進行を抑えやすく、費用や期間の負担も軽減しやすいのがメリットです。
ただし、副作用のリスクもあるため、医師の指導のもとで正しく取り組みましょう。
多くのクリニックでは、無料で専門家に相談できるカウンセリングが受けられます。
薄毛の悩みは一人で抱え込まず、専門家への相談が解決への鍵です。
適切な医療の力を借りて、前向きな一歩を踏み出しましょう。
【出典】
・日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」