注目を集めているザガーロは諸刃の剣？副作用・リスク徹底まとめ

ザガーロとは、イギリスに本社を置く大手製薬会社GSK（グラクソ・スミスクライン社）が承認を得たAGA新薬です。
主成分であるデュタステリドは、もともと前立腺肥大症の治療のために開発されたものであり、「アボルブ」という治療薬として広く知られていました。
ところが、その後の研究でAGA治療にも有効であることが明らかになりました。
そうして名前も新たに登場したのが、ザガーロでした。

GSK社の発表によると、デュタステリドを1日1回24週間投与した実験で、毛髪数が平均94.5本増加したことがわかっています。
日本でも2015年9月にAGA治療薬として承認され、2016年6月には販売がスタート。
画期的な治療薬として注目を集めています。

男性型脱毛症患者にザガーロ0.05～2.5mg注) を1日1回24週間経口投与したところ、24週時の血清中および頭皮中ジヒドロテストステロン（DHT）濃度と毛髪数のベースラインからの変化量は投与量依存的であった。
頭皮中および血清中のDHT濃度は投与量の増加に伴い減少し、毛髪数は増加した。
なお、ザガーロ0.5mg群のDHT濃度の減少率は、頭皮中で51.8%、血清中で90.2％であり、毛髪数は94.5本増加した（調整済み平均値）。

引用元: www.healthgsk.jp

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ザガーロは国際共同試験において、557症例中95例（17.1%）の副作用が報告されました。
主な症例としては、勃起不全が24例（4.3％）、リビドー減退22例（3.9％）、精液量減少7例（1.3％）でした。

上記の557症例の中には、日本人120名のデータが含まれています。
日本人の副作用症例率だけを抜粋すると、20例（16.7％）の発現率となっています。
主な症例は、勃起不全が13例（10.8％）、リビドー減退10例（8.3％）、射精障害5例（4.2％）になります。

52週間（1年間）の20～50歳の日本人男性型脱毛症患者120例を対象とした非盲検試験 *1)において、ザガーロ0.5mgが投与された総症例120例中20例（16.7％）に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。
その主なものは、勃起不全13例（10.8％）、リビドー減退10例（8.3％）、射精障害5 例（4.2％）であった。

引用元: www.hama1-cl.jp

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ザガーロは他のAGA治療薬に比べて効果が高い分、副作用が強く現れる場合があります。
次のような症状のリスクがあることを考慮の上、服用するようにしてください。

ザガーロとアボルブは謳う効能・効果は違えど、中身は同じ成分です。
副作用やリスクについては共通するので、両方の添付文章をぜひチェックしてみてください。

名前	効能・効果	カプセルの規格	1カプセル中のデュタステリド含有量	製造販売元
ザガーロ	前立腺肥大症	0.1mg、0.5mg	0.1mg、0.5mg	グラクソ・スミスクライン社
アボルブ	男性における男性型脱毛症	0.5mg	0.5mg	グラクソ・スミスクライン社

GSKの製薬ザガーロとアボルブの添付文章は、こちらから閲覧することができます。

＜ザガーロカプセル＞
https://www.healthgsk.jp/content/dam/global/hcpportal/ja_JP/products-info/zagallo/zagallo.pdf

＜アボルブカプセル＞
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00057014.pdf

副作用の項目には、

• リピドー（性欲）減退
• 勃起不全
• 射精障害
• 性欲減退
• 乳房障害（女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感）
• 肝機能異常
• 黄疸（後述）

などの症状が記載されており、異常が認められた場合には投薬を中止するなど、適切な処理をするよう注意喚起されています。

ザガーロの主成分デュタステリドは、男性ホルモンを抑制する働きをします。
そのため、勃起不全や性欲減退など、男性機能の低下を招く恐れがあります。

臨床検査によると、ザガーロ0.1mgでは5〜7％、ザガーロ0.5mgでは2〜8%の割合で副作用が発現しているので、注意が必要です。

特に既婚者で子作りを考えている方は、使用を控えたほうが良いでしょう。

副作用発現率	生殖系および乳房障害（勃起不全含む）	精神障害（リビドー減退含む）
デュタステリド0.1mg群	10（5％）	14（7％）
デュタステリド0.5mg群	14（8％）	4（2％）

データ参照
https://www.hama1-cl.jp/zagallo/side_effect.html

ザガーロには、前立腺がん腫瘍マーカーであるPSA値を下げる働きがあります。
腫瘍マーカーとは、がん細胞の目印（マーカー）となる細胞の総称です。
その値を検査することで、身体の中にがん細胞が潜んでいないか調べることができます。

しかし、ザガーロを服用していると、PSAが正常値の1/2になる可能性があります。
つまり、前立腺がんがあったとしても、数値に反映されずに発見が遅れてしまうリスクがあるのです。

もし、PSA検査をする場合には、担当医師にザガーロを服用していることを報告してください。

ザガーロは主に肝臓で代謝されます。
そのため服用すると、血液濃度が上昇し、肝機能障害が現れる場合があります。
特に、肝機能障害のある方は注意が必要です。
服用の際には、必ず医師に相談しましょう。

ザガーロの発売がスタートしたのは2016年の6月13日。
同じ日に販売された「週刊ポスト6月24日号」では、ザガーロの副作用を取り上げる記事が掲載されました。
発売と同じ日に特集記事が組まれたのは、それだけ注目度が高いことの表れでもあります。

記事では、『あの有名薬の危ない「副作用」』と題して、過去2年間に厚生省が副作用の表示を命じたといわれる薬剤がリストアップされています。
その中で、ザガーロは肝機能障害の副作用が指摘されました。

ザガーロの販売当日の記事ですから、当然「過去2年間」の範疇には入りません。
しかしながら、アボルブは販売から2年以上経過しており、同じ成分を持つ薬品として取り上げられたのでしょう。
それだけデュタステリドを危険視する声も少なくないということです。

黄疸とは血液中のビリルビン濃度が上昇して、皮膚や目の色が黄色っぽくなる症状を指します。
人によっては、熱が続いたり疲れやすくなったりすることもあります。

黄疸は、肝機能が低下すると多く現れる症状です。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、多少具合が悪くなっても自覚症状がありません。
気がついたときには、重症化して手遅れということも少なくないです。
その中で、黄疸は肝臓からの貴重なサインといえます。

ザガーロを服用して黄疸が出たら、肝臓へ負担がかかっているかもしれません。

黄疸の症状が出たら、「ただ肌が黄色くなっただけ」と軽んじないで、お医者さんへ相談しましょう。

米国FDA（食品医薬品局）は、デュタステリドを服用することで前立腺がんのリスクが上昇すると警告しています。
FDAの大規模な臨床検査において、デュタステリド使用者の悪性度の高い前立腺がんの発症率が1.0％、未使用者の発症率が0.5％という数値が出ました。
しかしながら、有意差とまでは言えない結果であり、デュタステリドと前立腺がんの因果関係はまだ明らかになっていません。

それよりも、先に述べたPSA値の半減による前立腺がんの早期発見・早期治療の遅れのほうが懸念事項といえるでしょう。

生検集団に対する割合では,非 常に悪性度の高い Gleason スコ ア 8-10 が, プ ラ セ ボ 群 0.5 %
(16/3388)に対して,デュタステ リド群では 1.0%(32/3284)とオッ ズ 比 2.08(95 % C I:1.14-3.80, p=0.0195)であった.

引用元: www.npojip.org

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実際にどのような副作用が起こるのかは、体験者のリアルな声を聞くのが一番です。
しかし、ザガーロ自体はまだ発売から間もないため、それほど口コミが集まっていません。
そこで、ザガーロの主成分であるデュタステリド使用者の体験談を集めてみました。

毎日、朝1錠欠かさず飲んでいます。
効き目抜群です。

副作用は個人差があると思いますが、射精した時のすっきり感が無く感じられるところです。

引用元: www.osakado.org

足の指先にしびれが出てきたので、使用を一時中断したところ、足の指先にしびれは即無くなったので、副作用だと思います。
髪の毛のへの効果は良かったのですが、私には合わなくて残念です。

引用元: www.osakado.org

性欲は何だか落ちた感じです。
彼女とはできなくはないのですが、2週間に1度でもという感じです。
ゴムの中の量も減った感じ。

引用元: www.osakado.org

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成人男性の場合、1日１回1カプセルを服用します。
容量はデュタステリド0.1mgが基本ですが、必要に応じて0.5mgを経口投与します。

もし、飲み忘れた場合でも、次の日に2カプセル服用するようなことは避けましょう。
適切な量を毎日規則正しく摂取することが大切です。

治療効果が現れるまで、通常6カ月間続けることが必要になります。
6カ月以上飲み続けてもAGAの改善が見られない場合は、継続するかどうか専門医に相談しましょう。

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ザガーロは男性型脱毛症のみに適応する治療薬です。

女性の脱毛症や円形脱毛症などには効果が確立されていないので、使用を控えましょう。

ザガーロを服用中は献血ができません。
ザガーロに含まれるデュタステリドは、女性や子どもへの投与が禁じられています。

あなたが献血をした血液は、誰に輸血されるかわかりません。
人助けをするつもりが、かえってその人を危険にさらしてしまう可能性があるのです。

血中に含まれるデュタステリドの濃度が下がるまでに、最低5カ月かかります。
猶予期間を含めて、最低6カ月は輸血を控えたほうが無難です。

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ザガーロカプセルの添付文章には、次のような注意事項が記載されています。

【禁 忌】(次の患者には投与しないこと)
(1) 本剤の成分及び他の5α還元酵素阻害薬に対し過敏
症の既往歴のある患者
(2) 女性[「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦
等への投与」の項参照]
(3) 小児等[「重要な基本的注意」及び「小児等への投与」
の項参照]
(4) 重度の肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代
謝されるため、血中濃度が上昇するおそれがある (「慎重投与」の項参照)。

引用元: www.healthgsk.jp

ザガーロはAGAの原因となる5αリダクターゼを抑制する薬です。
5α還元酵素阻害薬に対して過敏症がある人は、蕁麻疹やアレルギー反応が起こる可能性があるので、使用を控えましょう。

動物実験で、親にデュタステリドを投与したところ、オスの胎児の生殖器がメス化したことがわかっています。
そのため、妊婦および妊娠する可能性のある女性へのザガーロの使用は、固く禁じられています。

ただし、閉経した女性においてはその限りではありません。
念のため、お医者さんに相談してから使用の許可を得てください。

子どもや未成年に対する安全性や有効性は確立されていないので、使用できません。

ザガーロは主に肝臓で代謝する薬なので、重度の肝機能障害がある人が服用した場合、負担がかかり過ぎてしまいます。

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デュタステリドは男性ホルモンを抑制する薬です。
そのため、妊婦がデュタステリドを服用すると、子どもの発育や成長に悪影響を及ぼす恐れがあります。
たとえ今、妊娠していないと思っていても、いつそういった状況になるかはわかりません。
あとで悲しい結果にならないよう、女性はザガーロ剤に近づかないのが賢明です。

ザガーロは経皮吸収（皮膚表面から体内に成分が移行すること）されます。
そのため、女性や子どもは服用だけでなく触ることも禁じられています。

薬剤がカプセルに入っている状態では問題ありませんが、万が一中身が漏れていたら皮膚を経由して成分が浸透します。
他の人がむやみやたらと触らないように、きちんと管理しましょう。
自分にしかわからない場所に保管をするのがベストです。

もし、女性や子どもが薬に触れた場合は、すぐに石鹸と水で洗い流すようにしてください。

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ザガーロを使用している間は、子作りは控えたほうがいいのでしょうか？

添付文章によると、ザガーロを服用している男性の精液にデュタステリドが移行することがわかっています。
その割合は、0.5gのザガーロを1日1回24週継続して飲んだ男性の場合で、30.69ng/mlでした。
そのうち精液に移行する濃度は、平均11.5％です。
つまり計算すると、精液中には3.53ng/mlのデュタステリドが含まれることになります。
（ザガーロ取扱説明書より）

数字だけではピンとこないかもしれませんが、1ngは10億分の1gと非常に小さな単位です。
精液が女性の体内に入っても影響を与える割合は極めて低いといえます。

国際共同試験の報告では、ザガーロを服用している男性のうち12名にパートナーの妊娠が明らかになっています。
いずれの胎児も男女問わず、異常は認められていません。
しかし、これだけでは対象例が少なすぎるので、100%安全かどうかは疑問です。

いずれにしても、生まれてくる子どもへの影響は限りなくゼロに近いが、全くゼロとも言い切れないということです。

奇形が生じる可能性は1%でも避けたいのが親心でしょう。
万が一のことを考えれば、子作り期間はザガーロの服用を休止すべきです。

デュタステリドの血中濃度をゼロにするまでには6カ月を目安にお休みしてください。

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ザガーロは副作用が少なくない薬品ですから、使用には慎重を期しましょう。
副作用による重篤な健康被害を被らないためにも、専門クリニックで処方してもらうのがベストな選択です。

ザガーロは、個人輸入代行で購入することもできます。
しかし、安全面を考えるとおすすめはできません。
正規品以外の偽薬を押しつけられる可能性が高いからです。
個人輸入の場合、トラブルがあっても全て自己責任になってしまいます。

個人輸入だと安価で買えるのが魅力的ですが、それで健康を損なってしまっては元も子もありません。
安全を優先するのか価格を優先するのか、よく考えて購入してください。

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ザガーロは効果が高い分、肝機能障害などの副作用が強く出る可能性があり、諸刃の剣ともいえる薬品です。
自分だけならまだしも、家族や大切な人を危険にさらす恐れがあることを、きちんと認識しておきましょう。

興味はあるけれどちょっと怖いという方は、まずは副作用の少ない治療薬から試してみるのも手です。
ザガーロは最後の砦として検討してみてはいかがでしょうか。

最終更新日: 2021-03-25

タグ:
ザガーロ AGA・若ハゲの治療

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