薄毛を引き起こす「5αリダクターゼ」って何!?食べ物や育毛剤での抑制が効果的!
薄毛の進行パターンは様々ですが、少しずつ進行していく症状は5αリダクターゼという物質が大きく関係しています。 人に存在している物質ではあるものの、名前も聞いたことがないという方は多いのではないでしょうか。 そこでどんな物質なのか、なぜ薄毛と関係しているのか、これから分かりやすく説明していきます。
目次
5αリダクターゼが抜け毛を加速させる!?
5αリダクターゼという物質に抜け毛を加速させる働きがあるのをご存知でしょうか。
円形脱毛症のように急に抜け毛が加速するのではなく、少しずつ抜け毛が増えていくというものです。
人の頭髪は1日50本から150本ほどは自然に抜けて生え変わりが進むと言われていますが、通常より明らかに抜け毛が増えた場合は要注意です。
5αリダクターゼとは
5αリダクターゼは男性らしさを保つために必要な酵素の一種です。
抜け毛を引き起こす酵素とはいえ、人にとっては重要な物質ということ。
抜け毛の他、頻尿や残尿感などの症状が見られる前立腺肥大症にも5αリダクターゼが大きく関係しています。
この前立腺肥大症の治療には5αリダクターゼを抑制する薬を使用することが多いです。
男性には欠かせない酵素だが…
男性は思春期以降から急激な変化が起こり始めて、男性らしい体格になっていきます。
これを二次性徴と呼んでおり、個人差があるものの男児の場合は9歳から11歳頃から始まることが多いです。
5αリダクターゼは男性らしさを保つには欠かせない酵素であるものの、抜け毛が増えてしまうのでは悩みが増えてしまいますよね。
場所によって種類や分泌量が異なる
5αリダクターゼには1型と2型と2種類あり、場所によって異なります。
全身の皮脂腺に存在しているのが5αリダクターゼ1型で、皮脂の分泌が多いと1型の分泌も増える傾向が見られます。
頭部や前立腺などに存在しているのが5αリダクターゼ2型となっており、2型の分泌が増えると体毛が濃くなることが多いです。
思春期は人目が気になり始めるため、体毛が濃くなると悩みに繋がることがあります。
1型は側頭部・後頭部に多い
頭部に限定した場合、5αリダクターゼ1型は主に側頭部や後頭部に多く存在しています。
この部分は抜け毛や薄毛の症状があまり進行しません。
それは5αリダクターゼ2型のほうが抜け毛や薄毛への作用が強いからです。
側頭部や後頭部に存在する5αリダクターゼ2型は少ないと言われています。
2型は前頭部・頭頂部に多い
5αリダクターゼ1型に対し、2型は前頭部や頭頂部に多く存在しています。
前頭部から症状が始まるとM字ハゲに、頭頂部から症状が始まるとつむじハゲへと進行していくことが多いです。
中にはM字ハゲとつむじハゲと同時に進行していく男性も見られます。
一度症状が始まると自然に治ることは期待できませんので、最終的には前頭部や頭頂部の髪の毛が全て抜けてしまうU字ハゲになる可能性があるのです。
この症状のことをAGA男性型脱毛症と呼んでおり、言葉だけなら聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。
男性だけに起こる症状というイメージが強いですが、女性でもホルモンバランスの乱れなどでFAGA(女性男性性脱毛症)という薄毛の症状が始まることがあります。
5αリダクターゼと薄毛の関係を解説!
薄毛が進行するほど悩みが大きくなりますよね。
なるべく最終段階まで症状が進まないうちに対策を始めたいところです。
しかし薄毛の原因を知っておかないと、効率的な対策が取れません。
5αリダクターゼがなぜ薄毛に繋がるのか詳しく説明していきますので、参考にしてみて下さい。
Step1. テストステロンと結びつきDHTになる
男性ホルモンといってもいくつかの種類があります。
このうち思春期以降に分泌が増えるのがテストステロンという男性ホルモンです。
このテストステロンが血液の流れに乗り、毛乳頭まで運ばれると5αリダクターゼ2型と結びついてジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンの一種に代謝されます。
毛母細胞に発毛の指令を出す重要な働きを持っているのが毛乳頭細胞です。
毛乳頭は頭皮下に走っている毛細血管と繋がっており、血液から栄養と酸素を受け取っています。
この毛乳頭にはアンドロゲンレセプターという男性ホルモン受容体が存在しており、DHTが男性ホルモン受容体と結びつくとTGF-βという脱毛因子が生成されることがあるのです。
5αリダクターゼ2型は髭やわき毛などムダ毛を濃くする原因となるものの、頭部では薄毛の原因となってしまいます。
Step2. ヘアサイクルを乱して抜け毛を引き起こす
人の髪の毛は成長期、退行期、休止期と繰り返しながら生え変わっていきます。
この生え変わりサイクルのことをヘアサイクルと呼んでいますが、TGF-βが生成されるとヘアサイクルの乱れにより、髪の毛の成長を阻害することがあるのです。
ヘアサイクルのうち成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長しないうちに退行期、休止期が来て抜け毛を引き起こすようになります。
5αリダクターゼ分泌量の原因は遺伝
5αリダクターゼの分泌量には個人差があり、分泌量が多い男性ほどAGAの症状が始まりやすいです。
逆に分泌量の少ない男性はAGAを発症しないことがありました。
同じ年齢でも薄毛の男性、そうではない男性と分かれますよね。
5αリダクターゼの分泌量は遺伝によって差が出ると言われています。
人の遺伝情報が含まれているのが染色体となっており、X染色体とY染色体と大まかに分けて2種類あります。
女性の場合は両親からX染色体を受け継ぎますが、男性の場合は母親からX染色体、父親からY染色体を受け継いでいます。
薄毛の遺伝子はX染色体に含まれていると考えられており、男性の場合は父親が薄毛でも薄毛の遺伝子を受け継いでいるか判断が難しいことがありました。
しかし母方の祖父が薄毛だった場合、薄毛の遺伝子を受け継いでいる可能性があります。
遺伝では5αリダクターゼの分泌量を減らすのは難しいのではと思うでしょうが、対策の方法はあるので諦める必要はありません。
5αリダクターゼの活性化を抑制するには?
男性ホルモンのテストステロンには脱毛作用はありません。
テストステロンは遺伝により分泌量に差が出ることは少ないです。
そのため抜け毛や薄毛を抑えるにはAGAの原因となっている5αリダクターゼの活性化を抑制するのが一番の対策ということ。
次からはどんな方法で抑制できるのか、詳しく説明していきます。
薄毛治療薬「プロペシア」を服用する
プロペシアという薄毛治療薬があるのをご存知ですか。
主成分であるフィナステリドにはAGAの原因となっている5αリダクターゼ2型の阻害効果があります。
その効果から前立腺肥大症の治療に用いられてきましたが、脱毛の予防が見られたために薄毛治療にも用いられるようになりました。
プロペシアには0.2mgと1.0mgの錠剤があり、1日1mgの服用が上限となっています。
優れた効果を持っており、国内の試験で1年間0.2mgのプロペシアを投与したところ、54%の率で改善したという結果が出ました。
ただし現状維持までに効果が留まることが多い点には注意が必要です。
プロペシアは効果が出るまで期間がかかる薄毛治療薬のため、最低でも3か月は継続して下さい。
その他にも注意したいのがプロペシアの副作用です。
5αリダクターゼ2型を阻害することから男性機能に関係する副作用が見られます。
主な副作用は次の通りです。
- 性欲減退
- 勃起不全
- 精液量減少
- 胃部不快感
- 蕁麻疹や発疹
- 乳房肥大
- 抑うつ症状
- めまい
プロペシアは街のドラッグストアでは販売されていないため、病院やクリニックにて処方を受けることが必要です。
しかしプロペシアは1錠当たり250円ほどとなっており、薬代が高いという難点がありました。
1日1錠服用した場合、1か月で7,500円ほどの薬代が必要です。
1年続けると90,000円もの負担になってしまいますが、そんな時は個人輸入で安いプロペシアを入手するという方法があります。
しかしプロペシアの偽物が流通しているため、偽物と知らずに服用してしまうと健康被害が出る恐れがあるのです。
正規プロペシアの処方が受けられる病院やクリニックのほうが安心ではないでしょうか。
稀ではありますが肝機能障害といった重大な副作用もあるため、医師の指示に従って服用したほうが良いでしょう。
薬代を抑えたい時はプロペシアのジェネリックを服用するという方法もあるのです。
アメリカの大手製薬会社ファイザーのジェネリックなら1か月分で6,500円ほどの薬代で済みます。
国内では沢井製薬や東和薬品、クラシエ製薬などからプロペシアのジェネリックが発売されています。
期待できる効果はプロペシアと同じのため、医師にジェネリック希望と伝えると良いでしょう。
引用元:http://www.kurokawa-iin.com/kami.htm
副作用が怖い場合はノコギリヤシサプリ
プロペシアの副作用が怖い場合はノコギリヤシサプリで代用できます。
ノコギリヤシはノコギリパルメットとも呼ばれるヤシ目ヤシ科の植物ですが、このノコギリヤシの研究により生まれたのがプロペシアの主成分フィナステリドなのです。
5αリダクターゼの抑制作用があるため、AGAの予防に期待されている成分となっています。
その作用に注目が集まり、育毛サプリにも配合されるようになりました。
ノコギリヤシ由来のエキスはフィナステリドのように化学合成された成分ではありません。
自然由来の成分という関係上、副作用は少ないと言われています。
ただし過剰摂取すると発疹や下痢、便秘、吐き気、頭痛、めまいなどの症状が出る可能性があるため、正しい使用方法を守って下さい。
育毛剤との併用もおすすめ
ノコギリヤシは口からお水と一緒に飲んで使用する育毛サプリに配合されています。
頭皮に塗る育毛剤と使用方法が異なるため、併用することが可能です。
ノコギリヤシサプリだけ育毛剤だけといった使用方法と違い、相乗作用が期待できるのが良いところです。
中にはオウゴンエキスやヒオウギエキスなど、5αリダクターゼを抑える作用を持つ成分を配合する育毛剤もあります。
育毛サプリで身体の中から対策、育毛剤で身体の外から対策ができるのです。
ノコギリヤシ配合の育毛サプリ、5αリダクターゼを抑える成分配合の育毛剤と両方販売するメーカーもあります。
違うメーカーのもので併用するより、同じメーカーのもので併用したほうが効率的な上に、成分が重複し過ぎる心配もないというメリットがあります。
育毛サプリと育毛剤との相性も気にしなくて済むでしょう。
生活習慣の改善
薄毛治療薬に頼りたくない時は生活習慣を改善するという方法もあります。
薄毛に繋がりやすい生活習慣があるため、抜け毛が増え始める前に対策を取りたいところです。
生活習慣の改善により、健康的な身体まで期待できます。
髪に良い食べ物を摂る
一つは髪の毛に良い食べ物を積極的に摂るという方法です。
亜鉛は髪の毛の主成分となっているケラチンの合成に役立つミネラルの一種ってご存知ですか。
この亜鉛が多く含まれる食べ物には牡蠣、小麦胚芽、からすみ、ビーフジャーキーなどがあります。
その他にも豆腐や豆乳など大豆食品に多く含まれているイソフラボンや、カフェインが含まれており利尿作用のある緑茶、ココナッツオイル、アロエなど5αリダクターゼ抑制作用が期待できる成分が含まれている食べ物を積極的に摂ると良いでしょう。
特に緑茶と大豆食品との相性が良くなっており、一緒に摂ると更に効果が期待できます。
運動不足の解消
人は年齢とともに新陳代謝が低下していくため、若い頃よりも太りやすい体質に変わることがあります。
肥満体型になると体を動かすのも億劫という方は多いのではないでしょうか。
しかし日頃から運動不足で肥満体型になると皮脂の分泌が増えて頭皮の毛穴を詰まらせてしまい、髪の毛の成長に悪影響を与えることがあります。
汗ばむ程度の有酸素運動を行うと余計な脂肪が燃焼されやすくなります。
運動不足の方はウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動で対策すると良いでしょう。
質の良い睡眠
日頃から睡眠不足だとストレスが溜まりやすくなります。
ストレスが睡眠不足の原因になることもあり、生活が悪循環に陥ることもあります。
ストレスが溜まり過ぎると頭皮の血行が悪くなり、毛乳頭に必要な栄養と酸素が不足することがあるのです。
薄毛の原因になりかねないため、毎日質の良い睡眠を心がけると良いでしょう。
総括
ここまで5αリダクターゼについて説明してきましたが如何でしたか。
薄毛対策をまとめると以下のようになります。
- 5αリダクターゼには1型と2型と2種類あり、頭皮の場所によって種類が異なる
- 5αリダクターゼ2型のほうが抜け毛や薄毛への作用が強い
- 遺伝によって5αリダクターゼの分泌量が多くなる可能性がある
- 薄毛治療薬の「プロペシア」で5αリダクターゼの活性化を抑制できる
- 副作用が怖い場合はノコギリヤシサプリを使用する
- 育毛剤とサプリの併用もおすすめ
- 髪の毛に良い食べ物を摂る
- 有酸素運動を行う
- 毎日質の良い睡眠を心がける
AGAは病気ではありませんので、痛い苦しいといった症状はありません。
放置しても重大な病気には繋がりませんが、老けて見られてしまうために若い頃から対策したいところです。
AGAかどうか分からない時は病院の皮膚科やAGA専門クリニックで行われている診断を受けてみると良いでしょう。
最終更新日: 2020-09-05
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